会長 藤本 茂
(自治医科大学内科学講座神経内科学部門 教授)
第24回日本栓子検出と治療学会 (Embolus2021) を2021年6月4日(金)から5日(土)に島根県松江市のくにびきメッセにて開催させていただくにあたり,会員の皆様にご挨拶およびご案内申し上げます.
昨今は,企業との関わり方など学会を取り巻く環境や若手医師が学会に参加するための環境が大きく変貌しています.それに加えCOVID-19感染拡大の影響で,多くの学会や様々なプロジェクトの会議がWeb開催など,開催形式の変更を余儀なくされています.これらの現状を踏まえ,第24回学会は島根県松江市で第40回日本脳神経超音波学会 (JAN) と合同開催することといたしました.JANの会長は島根大学脳神経外科の永井秀政先生です.そして学会のテーマを「ご縁をチャンスに~継承と融合~」としました.
JANとエンボラス学会とは非常に関連性が深い学会であり,両学会に所属している会員も少なくありません.エンボラス学会は脳血管内を流れる栓子を検出する経頭蓋ドプラ検査の普及と発展を目的に設立された学会で,これまで発表されてきた多くの研究で超音波診断は重要な役割を担ってきました.さらに,血栓塞栓症の病態や治療について脳神経領域のみならず循環器領域・医療工学領域など多面的な専門医が議論する場としての役割を担ってきました.このたびJANエンボラス合同学会を企画し,出雲の神々による縁(えにし)の地である島根で開催できることを大変嬉しく思っております.合同学会では,永井会長と力を合わせ,心房細動の新たな展望,ESUS,抗血栓薬の進歩,新たなデバイス治療など血栓塞栓症に関わる様々なトピックスを,合同シンポジウムなどを通してより多面的な切り口でより深く議論できる内容にしていきたいと存じます.そしてこの「ご縁」を,エンボラス学会が守ってきた理念の,未来志向の「継承と融合」について,皆様と共に考える「チャンス」にできれば幸甚です.
2021年6月のCOVID-19感染状況を予測するのは非常に難しいですが,皆様と笑顔で集まれることを願い,皆様が安心してお越しいただけるようにスタッフ一同全力で取り組んでいく所存です.松江の6月上旬は比較的晴天が多くさわやかな季節と聞きます.COVID-19感染の一日でも早い収束を祈念し,皆様のご参加を心からお待ち申し上げます.